施設長の想い

施設長

日本では、競技者柔道の印象が強い方が多くいらっしゃると思います。私もその中の一人でした。その中で私が療育柔道を取り入れたいと思うようになったきっかけは、養護学校に勤務していた時の1人の生徒との出会いでした。今まで柔道と関わったことのない生徒が柔道着を着て勝って喜ぶ姿、負けて涙を流しながら悔しがる姿を見て
「障害を持った子どもたちにもっとスポーツに触れてもらいたい。」「自立支援のための手段として柔道を利用することができないか。」
と考えるようになりました。日本では柔道を導入した療育を取り入れている施設がほとんどないため、柔道療育が発展しているフランスに研修に行き、実際に柔道療育を行っている指導者との情報交換を行い、稽古にも参加しました。フランスでは、医師が障害を持っている子ども達へ積極的にスポーツを勧める取り組みが行われ、柔道は乗馬と並んで第1位の人気を誇っています。競技者柔道がメインである日本と、老若男女問わず幅広く親しまれている生涯スポーツであるフランスでは柔道の根本的な解釈に違いがあり、浸透するまでに時間がかかると思いますが、私はヨーロッパを中心に広がっている【自立支援の手段としての柔道(柔道療育)】日本ではまだほとんどないこの取り組みを行うことにより、生活習慣の改善や身体の不器用さの改善、コミュニケーション面の問題改善、自己の表現等に柔道を生かしていきたいと強く思っています。「笑光」は子どもたちの活躍と自信の場を作っていきたいと思います。
内村香菜